ITフリーランス用語集

ITフリーランス業界の専門用語をカテゴリー別に解説します。

遠隔医療基礎

遠隔医療

情報通信技術(ICT)を活用し、遠隔地の医師と患者をつないで診察や健康相談を行う医療サービス。5GやAIの進化により、聴診や触診に近い診断も可能になりつつある。医療アクセスの不均衡是正や、感染症対策、効率的な医療提供体制の構築に不可欠なインフラとなっている。

オンライン診療

PCやスマホのビデオ通話で医師の診察を受ける仕組み。予約から決済、処方箋発行まで完結する。2018年の保険適用以降、規制緩和が進み、初診利用も可能に。通院負担軽減や感染症対策として定着し、対面診療と組み合わせたハイブリッド型が主流化している。

RPM

Remote Patient Monitoring(遠隔患者モニタリング)。ウェアラブル機器等で患者の血圧・脈拍等を常時測定し、医療機関で監視するシステム。慢性疾患の重症化予防や早期介入に有効。米国で先行普及し、日本でも在宅医療の質向上策として注目されている。

在宅診療

医師が患者の自宅を訪問して行う医療。超高齢社会における地域包括ケアシステムの要。ポータブル機器の進化や、訪問看護師と連携したビデオ診療(D to P with N)により、病院に準じた医療が自宅で受けられるようになっている。

テレヘルス

遠隔医療よりも広い概念で、医療だけでなく健康教育、予防、介護支援などをICTで行う総称。健康アプリ、オンライン特定保健指導、VRリハビリなどが含まれる。病気になってからの治療ではなく、未病・予防段階からのデジタル介入により、健康寿命の延伸を目指す。

AI・診断支援技術

AI診断支援

人工知能を活用して医師の意思決定をサポートする技術。ディープラーニングにより画像診断や病理診断で高い精度を実現。見落とし防止(ダブルチェック)や医師の業務負担軽減、地域医療の質向上に貢献するが、最終判断は医師が行う。

AI読影

CT、MRI、X線などの医療画像をAIが解析し、病変を自動検出する技術。放射線科医の負担軽減と診断精度向上に寄与。肺がん、脳動脈瘤、内視鏡検査などで実用化が進む。人間の目では判別できない微細な特徴も解析可能(ラジオゲノミクス)。

予測診断

過去の診療記録、遺伝子、生活習慣データ等から、将来の疾病リスクや病状変化をAIで予測する技術。発症前の「未病」段階での介入(先制医療)を可能にし、健康寿命延伸と医療費適正化に貢献する。急性期医療での急変予測にも活用される。

自然言語処理

人間が話す言葉や文章をコンピュータに理解させる技術。医療分野では、音声入力によるカルテ作成、医学論文の自動要約、患者とのチャットボット対話などに活用。ChatGPT等のLLM(大規模言語モデル)の登場により、医療文書処理の精度が飛躍的に向上している。

機械学習

データからルールやパターンを自動で学習し、予測・判断を行うAIの中核技術。医療画像分析、創薬、リスク予測などに応用される。ディープラーニングの登場で精度が飛躍的に向上。個人情報を保護しながら多施設のデータで学習する「連合学習」も注目されている。

ウェアラブル・デバイス

ウェアラブル診断

スマートウォッチなどの装着型機器を利用して、日常生活の中で生体データを連続的に測定・診断する技術。不整脈や睡眠時無呼吸症候群などの隠れた疾患リスクを早期発見できる。「点」ではなく「線」での健康管理を実現する。

医療グレードセンサー

FDAやPMDA等の規制当局から承認を受けた、診断に使用可能な高精度センサー。一般民生品のセンサーとは一線を画し、ノイズ除去能力や長期安定性が保証されている。遠隔医療の信頼性を担保する核心部品。

バイタルサイン

血圧、脈拍、体温、呼吸、SpO2などの生命活動を示す基本指標。遠隔医療において患者の重症度や緊急度を判断する最も重要なデータ。非接触センシング技術により、カメラ映像や電波だけで測定することも可能になりつつある。

連続血糖測定

Continuous Glucose Monitoring。皮下センサーで24時間血糖変動を記録する技術。隠れた高血糖や夜間低血糖を可視化し、糖尿病治療を革新した。インスリンポンプとの連動による人工膵臓化や、健康な人のダイエット・パフォーマンス管理への応用も進む。

スマートウォッチ

健康管理機能を搭載した腕時計型デバイス。心拍、心電図、SpO2、転倒検知などの機能を備え、一部は医療機器承認を取得している。最も普及しているウェアラブルデバイスであり、個人の健康データ収集と行動変容を促すプラットフォームとして定着している。

ホームモニタリング機器

通信機能付きの血圧計、体重計、心電計など、自宅で高精度な測定を行いデータを医療機関へ送信する機器。高齢者治療や生活習慣病管理の必需品。スマホ設定不要のSIM内蔵型(セルラーモデル)が増加し、デジタルデバイド解消に貢献している。

デジタルヘルス・プラットフォーム

デジタルヘルス

AI、IoT、ビッグデータ等のデジタル技術を医療・健康分野に応用する総称。mHealth、遠隔医療、ゲノム解析等を含む。WHOも推進する成長産業であり、医療のデータ化、効率化、個別化を実現するための基盤概念。

電子健康記録

Electronic Health Record。一医療機関内の電子カルテ(EMR)を超え、生涯にわたる個人の医療・健康情報を複数機関で共有する仕組み。救急搬送時や転院時の情報共有、重複検査の防止、災害時のデータ保全に不可欠なインフラ。

患者ポータル

患者が自分自身の電子カルテ情報(検査結果、処方、予約等)にアクセスできるWebサイトやアプリ。医療の透明性を高め、患者の治療参加(エンゲージメント)を促す。OpenNotes運動などで世界的に普及が進んでいる。

相互運用性

Interoperability。異なるシステムや組織間で、データを意味も含めて正確に交換・共有できる能力。電子カルテのメーカー差を超えたデータ連携に必須。HL7 FHIR等の国際標準規格が鍵となる。医療DXの最重要基盤。

FHIR

ファイア。HL7協会が策定した、Web技術(REST API, JSON)ベースの次世代医療情報標準規格。GAFAMも採用する世界標準。実装が容易で柔軟性が高く、医療アプリ開発やデータ連携のスタンダードとなっている。

医療DX

デジタル技術を活用して医療の構造やサービスを変革すること。日本政府は「全国医療情報プラットフォーム」「電子カルテ標準化」「診療報酬改定DX」を三本柱として推進。アナログな医療現場を効率化し、持続可能な社会保障制度を維持するための国家戦略。

精密医療・個別化医療

精密医療

個別化医療とも呼ばれ、患者一人ひとりの遺伝子情報、生活習慣、環境因子などを総合的に考慮して、最適な治療法を選択するアプローチ。従来の「平均的な患者」を想定した標準治療ではなく、個人の特性に基づいた治療を提供する。がん治療では、腫瘍の遺伝子変異を解析し、その変異に効果的な分子標的薬を選択する精密腫瘍学(precision...

ゲノム解析

個人のDNA配列を解読し、遺伝的特徴や疾病リスクを分析する技術。全ゲノムシーケンシング、エクソームシーケンシング、遺伝子パネル検査など複数の手法がある。がんの遺伝子変異解析、遺伝性疾患の診断、薬剤感受性の予測などに活用される。次世代シーケンサー(NGS)の技術進歩により、コストが劇的に低下し、1,000ドル以下で全ゲノ...

バイオマーカー

疾患の存在、進行度、治療効果などを客観的に示す生物学的指標。血液検査値、遺伝子変異、タンパク質の発現レベル、画像所見などが含まれる。がん治療では、特定の遺伝子変異をバイオマーカーとして使用し、分子標的薬の効果を予測する。糖尿病ではHbA1c、心疾患ではBNP、炎症ではCRPなどが代表的なバイオマーカー。ウェアラブルデバ...

薬剤ゲノミクス

個人の遺伝子型に基づいて、薬剤の効果や副作用を予測し、最適な薬剤選択と用量設定を行う学問分野。同じ薬剤でも、遺伝的背景により効果や副作用の程度が大きく異なることが知られている。例えば、抗凝固薬ワルファリンの適正用量は、CYP2C9やVKORC1遺伝子の多型により大きく変動する。抗がん剤、抗うつ薬、鎮痛薬など多くの薬剤で...

リキッドバイオプシー

血液などの体液から、がん細胞由来のDNAやRNAを検出・解析する非侵襲的な検査技術。従来の組織生検(針や手術で組織を採取)と比較して、患者への負担が少なく、繰り返し検査が可能。血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を解析することで、がんの早期発見、治療効果の判定、再発の早期検出、薬剤耐性の出現などを把握できる。遠隔医療と組み...

コンパニオン診断

投薬前に薬の効果や副作用リスクを予測するための検査薬・機器。個別化医療の鍵。

メンタルヘルス・デジタル治療

デジタルメンタルヘルス

スマートフォンアプリ、ウェアラブルデバイス、オンラインプラットフォームを活用した精神疾患の予防、診断、治療、管理サービス。認知行動療法(CBT)アプリ、マインドフルネス瞑想プログラム、AIチャットボットカウンセラー、オンラインセラピーなどが含まれる。Headspace Health、Calm、BetterHelpなどが...

認知行動療法

CBTとも略される、思考パターンと行動パターンを変容させることで精神疾患の改善を図る心理療法。うつ病、不安障害、パニック障害、強迫性障害、不眠症などに有効性が実証されている。デジタルCBT(dCBT)は、アプリやWebプラットフォームを通じて治療プログラムを提供し、いつでもどこでもアクセスできる利便性がある。対話型プロ...

AIチャットボットカウンセラー

自然言語処理技術を活用し、テキストベースの会話を通じてメンタルヘルスサポートを提供するAIシステム。Woebot、Wysa、Replika などが代表的。24時間365日利用可能で、匿名性が保たれるため、人間のカウンセラーには話しにくい悩みも気軽に相談できる。認知行動療法の技法に基づいた応答により、ユーザーの思考パター...

マインドフルネス

今この瞬間の体験に意図的に注意を向け、評価や判断をせずに受け入れる心理的状態・実践。瞑想やヨガなどの実践により養われる。ストレス軽減、不安・うつ症状の改善、集中力向上、感情調整能力の向上などの効果が科学的に実証されている。Headspace、Calm、Insight Timerなどのアプリは、ガイド付き瞑想プログラムを...

服薬アドヒアランス

患者が処方された薬剤を指示通りに服用する程度。慢性疾患では長期的な服薬継続が重要だが、世界保健機関(WHO)によると長期治療の服薬アドヒアランスは先進国でも50%程度と報告されている。デジタルヘルス技術により、服薬リマインダーアプリ、スマートピルケース(服薬時刻を通知)、デジタル錠剤(服薬を電子的に記録)などが開発され...

DTx

アプリなどのソフトウェアを用いた治療法。薬に次ぐ「第三の治療」として注目され、保険適用も進む。

CBTアプリ

認知行動療法を自動化・支援するアプリ。メンタルヘルスケアへのアクセス障壁を下げる。

遠隔カウンセリング

オンラインで行う心理相談。対面よりもハードルが低く、若年層などにも利用しやすい。

VRセラピー

VR空間で苦手な状況を再現し、慣れさせる治療法。安全かつ制御可能な環境で治療ができる。

法規制・政策

保険適用

医療サービスや医薬品が公的医療保険や民間保険の給付対象となること。遠隔医療の普及には保険適用が重要な要因となる。日本では2018年にオンライン診療料が新設され、2020年のコロナ禍で初診からのオンライン診療が時限的措置として認められた。アメリカでは州によって規制が異なるが、Medicare(高齢者向け公的保険)やMed...

HIPAA

米国の医療情報プライバシー保護法。1996年に制定され、患者の医療情報のセキュリティとプライバシーを保護するための厳格な基準を定めている。電子的に保存・送信される保護対象健康情報(PHI)について、技術的・物理的・管理的安全対策を義務付けている。遠隔医療プラットフォームやデジタルヘルスサービスは、HIPAA準拠が必須要...

GDPR

EU一般データ保護規則。2018年に施行されたEU域内における個人データ保護に関する包括的な法律。医療情報は「特別なカテゴリーの個人データ」として特に厳格な保護が求められる。本人の明示的同意、データの最小化、利用目的の明確化、データポータビリティの権利、忘れられる権利などが規定されている。デジタルヘルスサービスがEU市...

医師法

医師の業務や資格を定める法律。第20条の「無診察治療の禁止」が遠隔医療の法的根拠に関わる重要条文。現在は厚労省指針により、要件を満たせばオンライン診療も適法と解釈されている。

電子処方箋

デジタルデータ化された処方箋。オンライン診療との親和性が高く、全国の薬局でデータ共有が可能。重複投薬の防止や、医療機関・薬局間の連絡コスト削減に寄与する。

データガバナンス

組織における データの管理方針、責任体制、品質保証、セキュリティ対策、利用ルールなどを定めた枠組み。医療分野では、患者データの適切な管理が法的・倫理的に極めて重要。データの収集、保存、利用、共有、廃棄の各段階でガバナンスが必要となる。医療機関や デジタルヘルス企業は、データガバナンス委員会の設置、プライバシー影響評価の...

オンライン診療指針

厚労省によるオンライン診療のルールブック。安全性と信頼性を確保するために全医療機関が遵守すべきガイドライン。

薬機法

医薬品や医療機器の承認・規制を行う法律。プログラム医療機器(SaMD)の開発・販売には本法の承認が必要。

次世代医療基盤法

医療ビッグデータの利活用を促進する法律。認定事業者がデータを集約・匿名加工し、研究機関や企業に提供する仕組み。

疾患管理・予防医療

慢性疾患管理

糖尿病、高血圧、心疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、長期的な治療と管理が必要な疾患に対する包括的ケアプログラム。遠隔医療とウェアラブルデバイスを活用することで、患者の日常的なバイタルサインや症状を継続的にモニタリングし、病状悪化の早期発見と予防的介入が可能になる。定期的なオンライン診療、服薬管理、生活習慣改善支援...

予防医療

疾病の発症を未然に防ぐことを目的とした医療。一次予防(健康増進・疾病予防)、二次予防(早期発見・早期治療)、三次予防(重症化防止・リハビリテーション)に分類される。デジタルヘルス技術により、ウェアラブルデバイスでの健康データ収集、AIによる疾病リスク予測、個別化された予防プログラムの提供が可能になっている。生活習慣病の...

生活習慣病

不適切な食事、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスなどの生活習慣が主な原因となって発症する疾患群。糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、心疾患、脳卒中、がんなどが含まれる。日本では医療費の約3割を生活習慣病関連が占めている。デジタルヘルス技術を活用した生活習慣改善プログラムが開発されており、食事記録アプリ、運動量測定ウェア...

健康診断

疾病の早期発見や健康状態の評価を目的とした定期的な医学的検査。日本では企業に年1回の従業員健康診断が義務付けられている。血液検査、尿検査、身体測定、血圧測定、心電図、胸部X線などが標準的項目。デジタルヘルスの進展により、健康診断結果のデジタル管理、経年変化の可視化、AIによる健康リスク評価、個別化された健康改善提案など...

再入院予防

退院後一定期間内の計画外再入院を防ぐための取り組み。特に心不全、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病などの慢性疾患では、退院後のケアが不十分だと再入院リスクが高い。RPM(遠隔患者モニタリング)を活用することで、退院後の患者の体重、血圧、症状などを継続的に監視し、悪化の兆候を早期に察知して介入できる。電話やビデオ通話による定期的な...

技術インフラ・通信

5G通信

第5世代移動通信システム。従来の4Gと比較して、超高速(最大20Gbps)、超低遅延(1ミリ秒以下)、多数同時接続(1平方kmあたり100万デバイス)という特性を持つ。遠隔医療分野では、高精細な医療画像のリアルタイム伝送、遠隔手術の実現、救急車内から病院への映像伝送、多数のIoT医療機器の同時接続などが可能になる。特に...

クラウドコンピューティング

インターネット経由でサーバー、ストレージ、データベース、アプリケーションなどのコンピューティングリソースを利用する技術。医療分野では、電子健康記録の保存、医療画像の管理、AIモデルの実行、遠隔医療プラットフォームの運用などに活用される。AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどの主要プラットフ...

IoMT

医療のモノのインターネット。医療機器やウェアラブルデバイスがインターネットに接続され、データを収集・送信・解析するネットワークシステム。病院内では、点滴ポンプ、人工呼吸器、患者モニターなどの医療機器がネットワーク接続され、一元管理される。在宅医療では、血圧計、血糖測定器、体重計、ウェアラブルセンサーなどが患者の生体デー...

セキュリティ対策

医療データを不正アクセス、漏洩、改ざん、破壊から保護するための技術的・組織的施策。暗号化、アクセス制御、多要素認証、ファイアウォール、侵入検知システム、定期的な脆弱性診断などが含まれる。医療情報は個人のプライバシーに関わる機微な情報であり、かつ生命に関わる重要性を持つため、特に厳格なセキュリティ対策が求められる。遠隔医...

テレビ会議システム

インターネットを介して音声と映像をリアルタイムに送受信し、遠隔地の複数者間でコミュニケーションを可能にするシステム。オンライン診療の基盤技術として不可欠。医療用途では、一般的なZoomやTeamsに加え、HIPAA準拠の医療専用プラットフォーム(Doxy.me、VSee、SimplePracticeなど)が使用される。...