連続血糖測定
連続血糖測定 (CGM)とは
連続血糖測定(CGM:Continuous Glucose Monitoring)とは、上腕やお腹の皮膚の下に細いセンサーを刺しっぱなしにし、間質液中のグルコース濃度を24時間連続で測定する技術です。従来の「指先に針を刺して血を出す(SMBG)」測定は痛くて面倒で「点」の測定しかできませんでしたが、CGMは「線(トレンド)」で血糖変動を可視化します。
概要と重要性
糖尿病管理のパラダイムシフトです。「食後スパイク(食後の急激な高血糖)」や「夜間低血糖(寝ている間の危険な低血糖)」は、従来の測定では見逃されていました。CGMはこれらを全て記録します。
- 行動変容の即効性: 「カレーを食べたらこんなに上がった」「散歩したらすぐ下がった」という結果がリアルタイムでスマホで見られるため、患者が自ら食事や運動をコントロールするモチベーションになります。
- 遠隔診療との相性抜群: クラウド共有機能(LibreViewなど)により、医師は診察室にいながら患者の2週間の血糖変動グラフを確認し、インスリン量の調整などを的確に行えます。
最新動向と技術的詳細
インスリンポンプとの連動(SAP/AID): CGMで測った血糖値に応じて、インスリンポンプが自動で注入量を調整する「人工膵臓(AID:Automated Insulin Delivery)」システムが実用化されています。これは1型糖尿病患者の生活を劇的に改善しました。
非糖尿病者への普及: アスリートやビジネスパーソンが、パフォーマンス向上のために「血糖値コントロール」を行う目的でCGMを利用するケースが増えています(FreeStyleリブレなど)。食後の眠気を防ぐための食事法を見つけるツールとして人気です。
AI・エージェントとの関わり
AIエージェントは、CGMデータから「未来の血糖値」を予測します。 「今のペースだと30分後に低血糖になります。今のうちにブドウ糖を補給してください。」 この一声があるだけで、低血糖による意識消失事故や救急搬送を防ぐことができます。また、食事の写真解析と組み合わせて、「このラーメンを食べるとあなたの場合は200mg/dLまで上がる予測です」と食べる前に警告することも可能です。
トラブル事例と対策(失敗例)
事例1:圧迫による誤差(コンプレッション・ロー)
寝ている間にセンサーを下にして寝てしまい、圧迫されて実際より低い値が出てしまい、低血糖アラートで叩き起こされる事例。装着位置の工夫や、異常な急降下をアーチファクトとして除外するアルゴリズムで対策されています。
将来展望
将来的には、スマートウォッチで「非侵襲(針なし)」で血糖値が測れるようになると期待されています。AppleやSamsungが開発競争を繰り広げており、実用化されれば糖尿病予防の概念が根底から覆るでしょう。